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工場便り

2022

05.12

和漢薬研究所だより 2022年5月

 弊社発行の健康情報誌「主治医」に掲載されている「和漢薬研究所だより」をお届けします。
今月は、ムラサキの栽培の記事です。


 赤城工場では、自然薬の原料生薬の自社栽培に取り組んでいます。
 そのうちの一つ、ムラサキ(生薬名:シコン/紫根)が初夏にかけて小さな白い花を咲かせます。当社自然薬の紫華栄(シカロン)とジュンキコウに使用されています。


 古来日本にも自生しており、『万葉集』には「紫草」「牟良佐岐」等の表記でムラサキを詠んだ歌が17 首存在します。飛鳥・奈良時代には冠位十二階最上位の衣・冠が紫色に指定され、徳の象徴として崇められてきました。また、平安時代中期には租税として全国から2600斤(約1560kg)が朝廷に納められたとの記録も残っています。染料として上流社会で珍重されていたムラサキは、江戸時代からは薬草として庶民にも広がり、解熱・解毒・皮膚病や火傷などの治療に用いられるようになりました。


 そんなムラサキですが、現在自生のものは絶滅危惧種に指定されるほど希少になってしまいました。当社では、2005(平成17)年から本格的に試験栽培を開始し、現在も赤城工場圃場で試行錯誤を繰り返しながら栽培を続けています。また、北海道当別町や宮城県蔵王町の生産者の方々にご協力をいただき、委託栽培をお願いしています。国内生産100%でより良い品質の生薬ができるよう、今後も取り組んでまいります。


2月に播種したムラサキは、11月収穫をしたのち根を乾燥させて使用します。